日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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なぜ「左右の安全」?

アーサー・ビナードさんの詩集が最近出た。
『左右の安全』だ。

詩とも散文ともつかないような,でも詩集。
いい感じ。
彼の好きな菅原克己さんの詩の感じもみえかくれ。

 (なぜ『左右の安全』なのかは,ぜひとも手にとって
 この「左右の安全」という詩を読んでみてください。
 なんだかふふふってしてしまいますよ。)

ひとつ詩を紹介しよう。


      懐具合

 気になることがあって
 答えを探そうと出かけた。
 すると,家の玄関のまん前に
 不思議に思うことがひとつ
 転がっていて,拾ってみた。
 少し行くと,今度は道端に
 腑に落ちないことが一個
 落ちていて,拾って懐に。
 そこから公園をつっきったら
 なぜだろうと考えることが
 ベンチにぴょこんと置かれ,
 それも拾って,川っぷちへ。
 枯れた葦のなかにかさこそと
 疑問に思うことがひそみ,
 海辺までくだって行ったら
 そこに未知のことが
 打ち上げられていた。

 北風に吹かれても帰りは
 この疑問符で懐は暖かい。


わたしもそういう拾い物をしながら歩いたらいいなぁ。
なかなか置いてあったり,落ちていたりしないけれど。
北風の中に飛んでいたりして・・・

この詩は詩集の中ではちょっと全体の感じからは
はずれているかもしれないけれど,でもいい。

でも,でも,他の詩もいいのがいっぱいあって
読むしかないですね。

『出世ミミズ』とか,エッセイを読んでいれば,あっ,あのことが
こんな詩になっていると,そんなこともわかってなおおもしろい。

自転車で東京の中を走っていくアーサー・ビナードさんの
風を少し感じた。
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by KATEK | 2007-11-22 18:45