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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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今から始まる大掃除

ロバータ・フラックを聞きながら。
(昔,彼女の歌がネスカフェコーヒーの宣伝に使われていたっけ。)

今日はなんてったって10年ぶりと言っていいほどの,大きな部屋の
模様替え。
(部屋が大きいんじゃなくて,模様替えの規模が大きいだけなので
おまちがいなく)

引っ越してきた時は,まさに前任校で1年の担任をしていた2学期末。
ずいぶんと陰口をたたかれた。
こんな時期に引越しなんて,担任として無責任だって・・・

まぁそれ以来,実は仮住まいをしているような気持ちから抜けきれず
(担任として忙しかったのと,調子を崩して治らなかったから)
それがずーっと心に引っかかっていた。
そのことを相方に話したら,彼もそうだったって。
わたしが動けないから,がまんしてたんだって。
これから,ちょっとづつでも,仮住まいから脱出だ。

いままで和室に飾ってあったカンデンスキーの大きなポスター
(A2の大きさ)も,なんとなくわたしとしては落ち着きの悪い場所にかかって
いたのが,すっきりとおさまった。

この3日間でどこまでかたづくかなぁ・・・

今日の読書は 湯本香樹実 『夏の庭 The Friends』 福武書店
児童書だ。

いたずら者の気のいい3人組の男の子,5年生が主人公。
ある日「でぶ」君の遠い親戚のおじいさんが亡くなった。
お葬式に出た「でぶ」君は,「死」について考え始める。
仲間の一人(純主人公)の「顔の長い」男の子が,こんなことをいう。
「俺,もうすぐ死にそうなじいさんを知っている。そのじいさんを観察しよう」

ぼろの一軒家に住んでいるおじいさんは,毎日座ってテレビをじっと
見ているだけで,まるで死んだよう。
家の周囲にはゴミがたまって,庭もぼうぼう。

3人組は塾の帰りも部活の帰りも,毎日毎日塀の外でながめ続けた。
どうやらコンビニに行くらしいことがわかり,尾行する。
そのうち,なんだかおじいさんは活動的になってきた。
夏も近い。

でも,コンビニのお弁当だけじゃかわいそうだと「でぶ」君が言う。
彼のうちはお魚屋さん。
ある日,お刺身をお皿で持って来た。
縁側近くの踏み石のところにおいたけれど,おじいさんは反応なし。
でも,翌日になったらちゃんとお皿はなくなっていた。

そんな風に毎日じっとみていると,たまったゴミがくさくて仕方なくなってきた。
ある日,そっと「ゴミ捨てようぜ」という話が出て,家に近くにいって
ゴミを持ったとたん
「人の家に勝手に入るな!」と,おじいさんがおこった。

そこからはおじいさんにうまくつかわれてしまう3人組。
おじいさんは,どんどん元気になり洗濯もはじめて,彼らは手伝わされる
はめになる。おまけに草むしり。
最後には,庭に花をまこうということになって・・・
コスモスの種をまいた。

ところが,彼らが夏休みの合宿にいっている間に,おじいさんは
ごろんと横になってテレビを見ているような格好のまま亡くなっていた。

この話のなかには,恋愛の話・戦争のこと・生きるって・死ぬってなに?って
ことがいろいろはいってくる。

5年生の夏から,彼らはだんだんひとり歩きを始める。

あぁ,これが児童文学だなぁ,
子供たちは育っていくんだなぁ,
この頃から「死」のことも,考え始めるんだったっけなぁ,
と,すがすがしい気分で読み終えた。

でも,もっと読み込まなければ見えてこない児童文学もたくさんある。
これから少しづつね。

CDがかわった。
「早く死んじゃったジャズピアニストの曲」だそうだ。
キースジャレット風。でもたぶんこの人はイギリスの人。
キースジャレットより繊細。

さてまた片づけだ。
by KATEK | 2007-01-06 21:55