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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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ゴミ箱ゲーム

政府の関連団体(?)が,家庭でいじめについて注意することとして
こんなことをいっていた。(NHKニュース)
いじめの側になっていないか。ことばでチェック。
「きもい」「うざい」というようなことばをつかっていたら注意,だって。

そんなことばフツーにつかっているのに・・・
アリをみたって「きもい」。
自分たちの出したゴミも「きもい」。
教員の注意は「うざい」。

何でこんな的外れな「議論」ばかりしているんだろう。

前の職場で,忘れられないケース。
5~6人くらいの遊び仲間。
休み時間になるとじゃんけんをして,負けた子はみんなに足をもちあげられ
頭からゴミ箱につっこまされる。
頭・顔は完全にゴミの中。

あの時の私は・・・

生徒はみんな笑いながらこの「ゲーム」をしていた。
汚いし危ないからやめなさいとわたしは注意した。
そして気がつくとからだの小さいある子ばかりが,なんどもやられて
いたので,本人に「だいじょうぶ?」と聞いたり,親に電話を入れたりした。

本人は「ゲーム」だから,といってなんともないと繰り返す。
わたしはただ,その「ゲーム」をやめなさいと何度か注意しただけだった。

なんてことだろう。
ゴミの中にさかさまにされて頭を入れられる!
今考えるとこんなこと許してたのかって,愕然とする。
許してたわけじゃないけど,わたしはすでに感じなくなっていた。

いじめってたぶんある線に行くまで,「感じない」んじゃないかって思う。
ある線に行ったら,堰を切ったように膿が噴出す。
集団で感情がマヒするなかで,マヒせずに「正常」でいられる子は,ある日
そこに見切りをつけるか,違った「異常行動」をしめす。

自分のやっていることを十分自覚できれば,いまよりいじめは減るだろう。

でも,学校という圧力装置の中で,「感じる」心を持ち続けることのしんどさ。
この「不安社会」のなかで冷静に判断していくことの難しさ。
自分だけは生き残りたいと思って「くもの糸」を独占したがるカンダタに
今誰もがなろうとして・・・でもそれは当たり前のことのように思う。

今この瞬間生き残ることしか考えられないうちに,首を絞められていく怖さ。
それを感じない更なる怖さ。

わたし自身生徒をいじめることに加担していたってわからない。
すくなくとも,いじめはないとか,わたしはいじめる側を徹底的になくす
といいきれる教員を,にわかには信じられない。

自分の感受性をどこまで保てるかが問われている。

昨日からあの,「ゴミ箱ゲーム」の様子がまき戻しのフィルムのように
なんどもなんどもわたしの前に現れて消えてくれない。
いじめってなんだろうってずっとかんがえさせられる。
by KATEK | 2006-12-26 12:38