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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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『観察と関与』中井久夫がおもしろい

すごい!
インドメタシンの効果。
いままで20年間もあきらめていたような頭痛が,完全にではない
にしても,おさまってきた。
やっぱり専門医っているんだなぁ。
薬に頼るのはよくないとはわかっているけれど,でも西洋薬って
すごいものなんだと実感。

ところで昨日買ってきた本。
中井久夫『関与と観察』はのっけから面白い。

戦争に行ったことのある世代がいなくなると,人間は戦争を
引き起こしやすくなるという心理についてかかれていた。

後藤田も亡くなり,自民党は「若手」ばかり。
何か問題が起こりそうなとき,民意をそむけるには戦争が一番
てっとりばやいし,儲けの対象になる。
今そのときがやってきていると,中井氏は指摘する。

でも人間は,人を殺すのはなるべく避けるという心理をもち
続けるという指摘もあった。
太平洋戦争のときアメリカの心理学の実験で,(戦争は心理学者
にとって偉大な実験場だったのだ),銃を人間に向けると,
必ず銃口を少しそらしてしまい,的中率は20%代になったという。
顔を見ては人間は人間を殺せないという。
だから後ろ向きに逃げる人は銃で撃てたのだそうだ。

本当に人を殺した人はPTSDにかかったり,死んでしまった人が
多いとも書かれていた。
だから殺したことについては真実は語られないと。

殺すことになれさせようといろいろな訓練をしても,
数週間で人を殺す気力はなくなってくるという。
だからアメリカ軍はひんぱんに兵士に休暇を与えるらしい。

一番人を殺すハードルが低くなるのは,仲間を殺されたとき。
本当に憎む気持ちが働かないと,人は人を殺せないのだ。

とするとボタンだけで人を殺せる核兵器は,一番危険ということ。
それからネットで自殺を呼びかけて,殺してしまうとか
現代の殺人の心理は,また新たな考察の対象になるのだろうか。

とまぁ,読み始めたばっかりなので先が楽しみ。
本を読んでも今までの目の痛さはなくなったし・・・
後は緊張性の頭痛と気力だけ補えばいい。
なんだかうれしい。
by KATEK | 2005-12-03 18:12