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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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危機感

昨日はつかれきってしまい,夕方から今までよく寝た。
おかげで少しすっきり。

soroさんのブログを読んだ。
憲法「改正」への危機意識と連帯を求める声がする。
わたしも,この「曲がり角」にいてどうしたらいいのかと思う。

レッドパージが行われた昭和30年代は,どんな雰囲気
だったのだろうか。
どのくらいの人たちが危機意識を持っていたのだろう。

ある本に
「平和だったのは50年間だけと思うほうがいい。
この平和が続くとは考えられない。」
というようなことが書いてあった。
もちろんのこの「平和」も括弧付きの,海外のこと,基地のことは
見てみぬふりをしたもの。

わたしたちは,この「平和」がずっと続くと勘違いしている。
戦争に至る道かもしれないし,貧富の格差におびえる道かも
しれない。温暖化が進み,環境の異変で病気だらけになるかも
しれない。
いずれにせよ,この道は「いつか来た道」あるいは「地獄門に
続く道」のような気がする。

このわたしも,月を見てうれしくなったり,木の香りにうっとりしたり
それだけ見て生きていきたいと思ってしまうこともあるのだから。

でも危機感ばかりであせっても仕方がない。

この辺でまた詩を紹介しよう。
戦争と戦った詩人,菅原克己の詩集から。

     死の囚人

 Ⅰ

 ぼくらは
 生活というところで
 くらしていると思っている。
 しかし,
 事実は,
 すでに死んでいるのであって,
 地の底の方から
 ものをいっているのではないか。
  
 なぜなら,
 本心では,
 ぼくらの言葉が
 現実にとって役立つだろうとは信じもせず,
 ぼくも君も,
 ただ,くりごとのように
 現在のあれこれを
 語っているにすぎないからだ。
 まして
 お前は死に,
 おれは生きている,という
 極限のことは
 もうだれもが伏せてしまった。
 ぼくらの
 まわりには,
 暗いというだけの
 闇がある。
 しかし,
 生活というの言葉は,
 身だしなみよく,
 花のように
 胸につけて,
 暗さのなかで
 もろもろの話を
 自由に喋舌る。
 何時から
 それは
 そうなったのか。
 たとえば
 詩人は
 イメージという言葉をつかう,
 パス・ポートのように。
 死というイメージだけでは
 どんなにしても華やかだ。
 しかし,
 死の実体は
 無だ。

     菅原克己詩集 思潮社

この詩はⅠだけでは終わらないがとりあえずⅠを
紹介した。

今日はこのほかの詩もじっくり読もうと思う。
明るい秋の空の下で。
by KATEK | 2005-11-19 07:49