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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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西島秀俊ファンです。

わたしは西島秀俊が大好き。
「ユリイカ」(だったっけ?)に出ていたころの,長い髪の青年だった
彼もいいし,30代半ばになってすこしばかりしわのでてきた彼も
またいい。

映画『休暇』をみた。

西島さんは,死刑囚の役。
刑務所で絵を描いて日々を送っている。
この死刑囚がなにをしたのかもわからないし,気持ちも考えも
あまりみえてはこない。
最後に絞首刑になる。

小林薫が扮するのは刑務官。
死刑を執行したり,死刑囚の監督・世話をする仕事。
歳をとってからの結婚が決まり,結婚式のあとの休暇をとるために,
死刑執行のときの一番心理的負担の大きい役を引き受ける。
絞首刑になった囚人を下で支え,心臓停止するまで
あばれたりしないようにするのだ。

死刑囚と死刑を執行する人たちの現実・・・

もちろん,小説の範囲内の話で本当のこと・現実にどこまで
くいこんでいるのかはわからない。
でも,死刑制度のあるこの日本という国に住み,
裁判員制度などというものが導入されてしまったうえには,
こういうことがあるんだってことは,頭のどこかにあったほうがいい。

そういえば,森達也が書評で紹介していた本がある。
けして「いい本」として紹介するのではないと念を押して。
『私たちが死刑評決しました。』(ランダムハウス講談社)
カリフォルニアで行われた裁判で,いかに簡単に死刑の評決が
くだされたか,という話だそうだ。

映画『休暇』で死刑執行前に説教をする場面が出てきて,
死の前で宗教なんて・・・と思わず感じてしまった。
(死刑囚が望むのならまた別だし,人間に向き合うことばなら
また別だとは思うけれど)

人の死って,もっともっともっともっと重いことだって思った。
by KATEK | 2009-09-28 20:35