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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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総入歯どおしのキスか・・・

立川昭二 『年をとって,初めてわかること』 (新潮社)を
ときどきめくっている。

(といっても,借りている本なので,まだほとんど読んでいない
のに,返却日が近いというのが,実状)

わたしが老いのことを考えるには,まだ早いのかもしれない。
もしかしたら。
だって,いわゆる働き盛りの年代のはずだから。
でも,老いのことのほうが,気にかかる。
楽しい,素敵な老いをのぞんでいるからかな。

「老いを笑う」として,田村隆一さんの詩が紹介されていた。

    「哀歌」

  奴隷だって歳をとる
  いまじゃ
  この世は奴隷ばかり
  ゴルフ ジョギング 水泳
  それも必死の形相で
  アデランスをかぶって疾走する
  中性脂肪 血糖値
  二日酔いまで数値ででてくる
  お腹ばかりが妊娠なみ
  頭のなかはカラッポで
  コンピューターが働いてくれるってわけ
  無人化工場の進出で
  かえって奴隷の仕事は多様化された
  生涯教育なんて笑わせるな
  生涯奴隷のはじまりじゃないか
  総入歯と総入歯がキスをして
  愛をささやくなんて真っ平だ
  いつまで生きるか分からない
  いつまで生きるか分からない

         詩集  『奴隷の喜び』より

田村隆一さん,61歳の時の詩だそうだ。

この詩,評価はわかれそうだけれど,こんなふうに
書いているってことがちょっとうれしいような,おかしいような,
切実でもあるような・・・

ここのところ,「老い」の定義はずいぶん変わってきているから,
60・70歳代はまだまだなのかもしれない。
老いにははいらないってこと。

でもからだやこころの状態は,人生の折り返しを過ぎた
あたりからずいぶん変わってきているとの,実感はある。

これからの日々,どうなるんだろう??
少なくても,今,
やっと調子がよくなりだしたこともあって,
生きなおすという意気込みはある。

老いても現役。
しかも静かな境地でといけたらいいな。
  
by KATEK | 2008-11-19 20:06