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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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フィンランド留学記のおもしろさ。

風の強い一日だった。
クスノキの古くなった小枝が,この風に飛ばされて,
あたりいちめんに散らばっていた。
風のいたずら?
クスノキはこんな日があることを知っていて,古い枝を
つけたまんまにしてあったのかしらん?

夕方が明るくなって,うす暗いなかで見える緑の葉が
きれいだったり,怪しかったり・・・
春の日の夕方は,何かがうごめいている感じがする。

ところで,偶然図書館で手にとって見た本。
高橋絵里香 
『青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記』 (講談社)

これがとってもよくって一気に読んでしまった。
ムーミンに惹かれて小学生の時からフィンランドに
行きたいと思い始めた高橋さん。
高校まで待って,その間にフィンランド行きの準備をする。
でも,中学生の時に学校の中で自分を壊され,人に合わせて生きる
ことになれてしまった彼女。一時の絶望。
だからこそ,なんとかたどり着いたフィンランドで,
生きる力や想像力を学校生活を通じて取り戻していく過程が
さわやかだ。

フィンランドの教育については,制度比較として
取り上げられることはあった。
でも,あまり具体的な姿は浮かんででこなかったと思う。
だから,実際に,こんなに生き生きと生活しているんだってことが
この本をとおして感じられて,こちらまでうれしくなった。

虚しいがんばりではなく,いっしょうけんめいに生きるがんばり。
こういうがんばり方をしたいなぁと,わたしも思う。

ことば一つとっても,ほとんど通じないところから始めるわけだ。
高橋さんも伝えようとする意思がはっきりあるし,フィンランドで
彼女を支えていた大人や友人たちの,聞き取ろうとする友好的で
真摯な態度はすごい。
コミュニケーションってこうしてできあがっていくんだ,
っていう原型みたいなものがそこにはある。

日本の「忙しい」生活の中では,時間をかけて話し,聞き取る
という作業はたぶんすっぽ抜かれている。
でも,ここが大事なんだけどなぁ。

わたし自身,はなしがへたくそだから,つい話すこと,説明することが
面倒になってしまって,その分,開放されない部分が苦しくなって
しまうことが多い。
伝えるための努力が必要なんだなと改めて思う。

それは,日常の家事の分担から始まることでもあり,
憲法改正の問題にもつながることでもある。

意見の違いが前提で,だからこそ伝え合い,納得する部分を探す
そういった個人の責任もあるのだ。きっと。
それは責任であっても,自由ということばにも置き換えられること。
そうすることで,自分の感じ方や考え方を守り大切にできる。

そう。
soro72さんのブログに書かれていることも,
そうやって受け止めたい。

憲法「改正」・ネオリベ・憲法9条などなど・・・
soro72さんに賛同する時もあれば,わたし自身わからないところは,
わかるように勉強したいと思うし。

ブログ一つとっても,伝え合い,わかりあい,また疑問をもち
というコミュニケーションのかたちを大事にしたい。

そんなことを思わせてくれた本だった。
by KATEK | 2007-05-11 20:43