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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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一世代前の映画をみて思うこと。

ここのところ,立て続けにちょっと古めの邦画をみている。
『白い巨塔』『楢山節考』『人間の条件』

『人間の条件』はまだ一部しかみていない。
学生生活も終わりだというころ,一気に読んだこの原作。
主人公の梶という名前ははっきり覚えている。
もう本は捨ててしまったのだが,いまさらながらまた読みたくなってきた。

それにしても,一世代前の脚本や俳優が輝いて見えるのはなぜだろう。
古いからいいというわけではない。
でも,たとえ台詞回しはへただったりおおげさだったりすることもあるけれど,
人間自体が地に足をつけてしゃべっている感じがするのだ。

『ラストエンペラー』という映画の主人公になった役者さん(名前が出ない)の
顔が,最近の日本人にはないりりしいものだと思ったのと同じ。
なんだか,きっぱりしているんだよなぁ。

それに,日本人ははっきりしたことを言わないとか,自己主張がへただと
時に言うこともあるけれど,これは間違いだって思えてくる。

『人間の条件』にしても『白い巨塔』にしても,かなり対立した意見をはっきり
語っており,違うところは違うと言いあう場面が多い。
近年ドラマになった『白い巨塔』は,人間の内面を深く描いたといえば
きこえはいいけれど,逡巡するところは中途半端だったし,馴れ合い感が
強く打ち出されすぎていたように思う。

人間が負う責任というのが,一昔前はもっとはっきりしていたのかしらん・・・
古い世代がいいとばかりはいえないけれど,
そして昔に返れともいわないけれど,
たちどまり,振り返って,今の時代を相対化してみるのも大事だと思う。

わたしははっきりものが言えない人だから,
映画のようにあるいは現実の世界でも,はっきりものがいえる人のことを
尊敬してしまう。
断定ではなく,あくまで持論だがというところできっぱりものをいえるように
いろんな意味での体力をつけていきたいものだ。

と,思ったのでした。
by KATEK | 2007-03-18 07:19