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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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華麗なる一族なら原作がおすすめかも。

ここ2日。
山崎豊子『華麗なる一族』にはまってしまっている。

テレビと映画と小説をセットにして売り出す方法が,本格的になったのは
渡辺淳一(こんな漢字?)の,『失楽園』からだったように思う。
まるで,電通の売り上げ戦略みたいだと思って,とお目にしていたのも
少しの間で,わたしのほうから,原作と映画やドラマを一緒に読むことを
すすんでするようになってしまった。
あぁ,なんて「いい消費者なんだろう」と苦笑いしつつ。

今では本売り場でも,ドラマ化とか映画化とかいうコーナーを設けるほど。
ということは,世間の関心が一手に集まるということで,文学界が
広がるということでもないのだろう。

それにしても,読みすすめるうちに出てくるこのドラマと原作との違い。
ドラマで放映されたところよりも先まで読みすすめると,原作のほうが
だんぜんいい。
緊迫感が原作にはある。
主人公の鉄平は,「精悍な顔をした」という表現が
(ちょっとこれは一本調子過ぎだが)
何度も繰り返される。

木村拓也は,いつもズボンに手を突っ込んでばかり。
製鉄所の労働者達を一声でまとめあげられるような人望や気力が
いまひとつ感じられない。

今日本の俳優,30代の男性で「精悍な顔」つきをした人といったら
誰になるんだろう?
わたしには思い浮かばなくて・・・
日本人そのものが,全体にぼやけているのかしらん・・・

それから,銀行再編の裏でうごく政治と金,人脈,官僚。
こういった人たちの複雑な関係に,のんきなわたしはついていけない。
ことばにしないことばで人は動く。
わたしは,いのししみたいにしか動けないからなぁ。
(いのししというより,もっと未熟なウリボウか・・・)

文学にしては単純と思える山崎豊子の作品だけれど,読み始めて
アクセルがかかるととまらないわたしの性格。
人の心理が描けていないなどと文句を言いながら,よくやるよ。

ちゃんと読まなくちゃと思う本はすぐあとまわしになってしまう。
生徒と一緒。
by KATEK | 2007-01-28 22:24