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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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またまた,まど・みちおさん

図書館への道がわたしのお気に入り。
両側を合わせたら,道路と同じくらいの幅がある歩道。
この歩道。図書館側にはずっとトチノキが植えられていて,ここちよい木陰をつくって
くれている。
今日はうれしいことに何時間か晴れてくれたので,この木陰で風を受けて,とっても
気持ちよかった。
緑と風と木漏れ日と,それだけで幸せになれる。

図書館から借りてきた本のうちの一冊。
まど・みちおさんの『いわずにおれない』集英社ビィ文庫
これがとってもいい。

まどさんが,自分の詩についてコメント(インタヴューをうけて)を書いている。
まどさんが好きな詩の一つは「ノミ」だそうだ。

     ノミ

 すばらしいことが
 あるもんだ
 ノミが
 ノミだったとは

 ゾウではなかったとは

>自分が自分であること,自分として生かされていることを,もっともっと喜んで
>ほしい。それは,何にもまして,素晴らしいことなんですから。

     ぼくが ここに

 ぼくが ここに いるとき
 ぼくが どんなものも
 ぼくに かさなって
 ここに いることは できない

 もし ゾウが ここに いるならば
 そのゾウだけ
 マメが いるならば
 その一つぶの マメだけ
 しか ここに いることは できない

 ああ このちきゅうの うえでは
 こんなに だいじに
 まもられているのだ
 どんなものが どんなところに
 いるときにも

 その 「いること」こそが
 なににも まして
 すばらしいこと として



       いわずに おれなくなる

 いわずに おれなくなる
 ことばでしか いえないからだ

 いわずに おれなくなる
 ことばでは いいきれないからだ

 いわずに おれなくなる
 ひとりでは 生きられないからだ

 いわずに おれなくなる
 ひとりでしか 生きられないからだ


まどさんは,こんなこともいっている。

>ついこの間書いたのは,「カのオナラ」っちゅう詩。カのオナラは,きっとにおいも
>音も何もかも微かで,かわいらしくて絶妙なんだろうなと思ってね。苦心惨憺して
>書いたんだけれど,人に見せられる出来じゃありませんでした。なのにまた,
>ノミのアクビについても書きたいんです・・・・・。

やっぱりまどさんの詩はいいな。
おん歳96さいだって。
すごいなぁ。

こんばん,続きを読もうっと。
by KATEK | 2006-06-27 20:53