日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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もっと強く

ここのところ,話題になっていた茨木のり子さんの詩を
今日は紹介します。
有名な詩はいくつかあってそれはみなすばらしいと思うのですが,
先日紹介した,南アフリカ共和国の,グシナ・ムショぺの詩に
比べるという意味でも,わたしの気に入っている詩を書きとどめます。

     
       もっと強く      茨木のり子

 もっと強く願っていいのだ
 わたしたちは明石の鯛がたべたいと

 もっと強く願っていいのだ
 わたしたちは幾種類ものジャムが
 いつも食卓にあるようにと

 もっと強く願っていいのだ
 わたしたちは朝日の射すあかるい台所が
 ほしいと

 すりきれた靴はあっさりとすて
 キュッと鳴る新しい靴の感触を
 もっとしばしば味わいたいと

 秋 旅に出たひとがあれば
 ウィンクで送ってやればいいのだ

 なぜだろう
 萎縮することが生活なのだと
 おもいこんでしまった村と町
 家々のひさしは上目づかいのまぶた

 おーい 小さな時計屋さん
 猫背をのばし あなたは叫んでいいのだ
 今年もついに土用の鰻と会わなかったと

 おーい 小さな釣具屋さん
 あなたは叫んでいいのだ
 俺はまだ伊勢の海もみていないと

 女がほしければ奪うのもいいのだ
 男がほしければ奪うのもいいのだ

 ああ わたしたちが
 もっともっと貪婪にならないかぎり
 なにごとも始まりはしないのだ。


       茨木のり子詩集『落ちこぼれ』  理論社


わたし達はもっと強く,「本当の」幸せを望んでいいのです。
お仕着せの幸せではなく,もっとのんびり,ていねいに
生活を味わっていきたいと。
だめなことにはNONといっていいのです。
政治に対しても,人間関係にしても。
茨木さんのように,「素直に」なっていいのです。
そしてそれをことばに出すこと。

わたしの今年の授業は,からだの問題もあって,大幅に
減らしてもらいました。
これは周りの教員の方々の好意です。
ですからありがたく思わなくてはなりません。

でも本当は授業をもっとやりたい。
生徒に関わりたい。

早く「普通に」授業ができるようになりたいものです。

そう。
今日は,紫色のモクレンが咲き始めたのを見つけました。
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by KATEK | 2006-04-04 21:16