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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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桜から,つれづれなるままに。

今日はお花見にいってきました。

お花見というと,お酒やバーベキューやラジカセの音,露店,席とり
など,なんだかありがたくないものがつきもの。
まぁそれが日本の文化だという人もいるのかもしれませんが。

相方とわたしは,桜がきれいで散歩できるところが好みなので,
今日は,今までいったことのないところを選びました。

そこは昔,江戸との流通にとって大事な役割を果たしていた川。
見た目は小さな川ですが,こういう小さな川があちこちから
江戸に通じていたのでしょう。
日本の川や海からの,水上交通というか,陸路ではない流通の
あり方は,本当にすばらしい文化を生んだのだと思います。

ついでに言えば,今の日本(といってもだいぶ変わってしまいましたが,
昭和30年代の日本の姿と思ってください)の景色は,室町時代頃に
出来上がったものだといわれています。
水は水田開発とともに,日本にとっての生命線でした。

話は戻りますが,その小さな川の両岸に,桜が植わっています。
桜の樹齢はおよそ50年といいますから,この桜も戦後
植えたものでしょう。
でもしっかり花がついて,きれいでした。

おまけに,とっても珍しいものとご対面。
(だと思っているのですが)
白い日本たんぽぽの花を何株か見つけました。
外来種のたんぽぽとは違い,地味な黄色っぽい白のひとえのたんぽぽ。
外来種のたんぽぽは,がくが花が咲くと同時に下に開いてしまいます。
でも,日本たんぽぽのがくは,花にくっついたままです。
という話は聞いていたので,たぶん,在来種だと思うのですが。
(また時間ができたらアップしますね。)

日本の昔から春を伝える「雑草」は,派手さはないもの,なんて
きれいなんでしょう。
おおいぬのふぐり,はこべ,ぺんぺん草,ほとけのざ,からすのえんどう・・・
ほとけのざなんて,すごい命名ですよね。
仏様が,あの草の葉が軸を囲んで丸くなったところに座るという発想が,
とっても豊かです。
ほとけのざの花も近づいてみると,ビロードのような赤紫の小さな花が
なんだかありがたく感じられます。

昔から日本では花をめでる気風がありました。
地味な花には,地味なりの価値をちゃんと認めて。

つばきだって,日本に昔からある種類のものは,一重のそっと咲く花
だったといいます。
あんなにボリュームがあるつばきは,外国に花を持ち帰って
つくりかえたもの。
あじさいもそうですよね。
わたしはひっそりとした「がくあじさい」が好きです。

なんて話は思わぬところにいってしまいました。

これから,ソメイヨシノの受難に時代になるそうです。
交配してできたソメイヨシノはいっせいに植えられていますから,
樹齢があまり変わりません。
各地でソメイヨシノが枯れていくかも知れないそうです。
ですからソメイヨシノに変わる桜を,いまいっしょうけんめい
接木をして育てているとか。

日本の春の桜の色が,変わるかもしれません。
by KATEK | 2006-04-01 20:06