人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

若者が働けない

むせかえるような菜の花のにおい
しみこむような沈丁花のにおい
春の花はなぜこんなにも,においが強いのだろうか。

夏に咲くゆりの花は,一本でも強い香りがする。

春は,花一面となるように,いっせいに咲く花が,その場のにおいを
作っているのかもしれない。
いや,そうでもないか。
夏の尾瀬に咲く花々も一面に広がっている。

冬をすぎてやってくる春だからこそ,においが強烈に感じられる
ということかも。

なんてことを考えながら,道を歩いた。

働くことに,行き詰まりを感じるこの頃。

フランスの若者達は,ついに声を上げた。
働くことへの危機感は,「グローバリゼーション」の席巻するこの時代
どこにも吹き出ていることなのだ。たぶん。

熊沢誠 『若者が働くとき』 ミネルヴァ書房 を読んでいるうちに
この行き詰まり感の正体が,いくぶんはっきりしてきた。

目標と言い換えられる,実はノルマに縛られた労働が,どの職場にも
蔓延してきたから,
ということに行きつくようだ。
成果主義。

数値目標,それも短期のうちに達成しなければならない目標。
この目標に縛られへとへとになっていく若者達。

学校ですら,短期目標を数値で求められる時代だ。

教育というものこそ,長い時間の中でいかされていくものなのに,
毎年求められる「成果」。
そして,考える時間を奪う仕事の量と,人員削減。
「うまく」やることができない人間は・・・

若者に希望を与えていくための教育現場で,教員の心がしぼみ
若者は社会にでて,ノルマ達成のために働くことへの不安や拒否感が
つのり,・・・どこに突破口があるのだろうか。

春のこの息づく時期に,ふと考えてしまうそんなわたし。
こんな時だからか,今のわたしは無性に黄緑色を求めている。
ミントグリーンではなく,黄色のはっきりした緑色。
黄緑色を身にまといたい。

灰色の理論ではなく,緑の現実・・・ということばが生かされるように。
by KATEK | 2006-03-23 19:17