日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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詩とその訳し方

今朝電車の中から見える川に,ふわふわと蒸気が
あがっていた。
冬になったんだとつくづく思う。
また川は朝日をうけて金色に光る。
その光によって,わたしは朝から元気をもらう。
朝の光は,天然の薬。

帰りになったらなんだか息が詰まってきて苦しい。
だからマッサージを受けてきた。
息をするって本当に大事なことなんだなぁと
マッサージを受けてまた実感。
からだが縮こまると,息も浅くなり,気がめぐらないから
気分もさっぱりしないもの。今は気分絶好調。

前にもりゆさんに推薦してもらった須賀敦子さん。
中井久夫の『関与と観察』の中にも紹介されていた。

サバの詩をわたしはまだ読んだことがない。
須賀さんの翻訳によるものがでているという。
興味深かったのはそのこと事体ではなく,須賀さんの訳し方の
変遷だ。

初期の訳(『ウンべルト・サバ詩集』 みすず書房)

 町を ずっと横切った
 そこから 坂を登る 
 はじめは 建てこんでいて だんだん
 人影もまばら 突き当たりは 低い石垣
 その人隅に ひとり 腰かける 
 石垣の終わるところで 町も
 終わりのようだ

遺作になった訳

 街を,端から端まで,通り抜けた。
 そこから坂を登った。
 まず雑踏があり,やがてひっそりして
 低い石垣で終わる。
 その片すみに,ひとり
 腰を下ろす。石垣の終わるところで,
 街も終わるようだ。

なんという変わりよう。
リズム感がぜんぜん違う。
句読点の使い方一つで,印象も変わる。
遺作のほうは,腰をおろしている人が浮き上がって見えて
くるようだ。

こんなふうに,ことばを大事にしている人の
訳を比べることがこんなにおもしろいとは思っても見なかった。

でも,音楽などは,特に声楽は,年齢によってぜんぜん
解釈が変わったりするので,歌も変わってくる。
ジャズもそうだ。

須賀さんの本と,サバの詩集を読んでみたい。

そう。あした
『星の王子様』を池澤夏樹のもので読もうと思っている。

『海からの贈り物』も落合恵子訳のものをよむつもり。 
 
 
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by KATEK | 2005-12-15 19:28