日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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落ちつこう

気持ちがみだれてきたので詩を紹介します。

    曲がった手で 
                 志樹逸馬

 曲がった手で 水をすくう
 こぼれても こぼれても
 みたされる水の
 はげしさに
 いつも なみなみと
 生命の水は手の中にある

 指は曲がっていても
 天をさすには少しの不自由も感じない





   春のブドウ園
     わたしは病床に こどもは窓に
                  大江満雄

 何が見える こども。
 ―ブドウ畑が見える。
 もっと よく見て いってごらん こども。
 ―ブドウの つるが見える。

(葉のないブドウのつるは 枯木林のようにみえるだろう)

 何がきこえる こども。
 ―なんにも きこえない。
 じっと きいてごらん こども。
 ―風の音が きこえる。

(わたしには エレミアの哀歌が きこえる)

 何を考えている こども。
 ―なんでもないんだよ。
 もうすぐ 夏だよ。
 ―葉がしげるね。花がさくね。実がむすぶね。

(すっぱいブドウから 甘いブドウに 自然はゆるやかに
育てる 自然は)
            詩集『海峡』


   森田進      『詩とハンセン病』土曜美術社出版販売
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by KATEK | 2005-10-28 06:45