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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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秋のかおりとゲルニカの話

待っていた秋のかおり。
つぶれた銀杏の,金木犀の匂いがぱーっとひろがっていた。
秋は何事も急なものなのかもしれない。
気持ちも天気も。

今日の授業でもゆったりとではあるけれど,わたしの気持ちの中では
熱く語ってしまった。
クラスによって焦点はちょっと変わってくるけれど,
沖縄戦の話と,ゲルニカの話。

「やまとんちゅ」と「うちなんちゅ」の文化の違い。
「捨石」にされた沖縄。
沖縄の人たちは,もうまったく別のことばといっていい「やまとんちゅ」の
ことばを戦時中,強制された。
授業中に「うちなんちゅ」のことばをつかってしまうと,首から罰の札をさげさせ
られたりした。
そこまでしても,ことばは残る。
それゆえ,日本軍に「うちなんちゅ」ことばをつかったが故に,スパイ扱いされ
殺されていった人たちもいた。

昨日も書いたけれど,文化を残すのはあるときは命がけになる。

原爆が落とされたこと,この意識の発端にある無差別爆撃。

第2次世界大戦前にすでにあった戦争法には,戦略爆撃つまり
無差別爆撃は禁じられていた。
民間人を戦争に巻き込むことは避けようという一応の世界的合意はあったのだ。

ドイツ軍によって世界ではじめて,戦略無差別爆撃をしかけられたのが
あのゲルニカだ。
パリにいたピカソの「ゲルニカ」制作が始まる。

あの大きな絵の中に描かれたアネモネ・ランプ・牝牛・馬
それぞれにこめられたピカソの思い。

こんなことを話してしまった。
やっぱり,わたしはこの仕事をしつづけていくのかもしれない。

「ゲルニカ」を書いた画家は誰か知ってる?
そんなちっぽけな質問だけれど,初めて「ピカソ」と応えてくれた生徒の顔が
恥ずかしげだけれど,がんばった行為だってみえて,うれしくなる。

わたしもこんな風に,自信なげにして,でもがんばって,
毎日を過ごしていくのかもしれない。
by KATEK | 2005-10-04 18:41