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日常って、微妙な差異こそ大事かなと思います。


by KATEK
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影が薄いんだそうだ。

「影が薄いね」
またしてもそんなことをいわれてしまった。
部活の生徒から。

まだ1ヶ月もたっていない過日,授業中に
「あの先生は白衣着てることもあるけど,きかなきゃって
感じになるんだよね。
でも,先生の場合はいつも違う服着てるし,なんだか
ちがうんだなぁ。
どうもやる気が出ないんだよね。」
といわれたばかり。

わたしって「威厳」とやらがまったくないのだ。
部活のメインの顧問の先生は新人で,わたしが親であっても
おかしくないくらい若いのに,「ちゃんと」説教するし,
生徒にびしっといえるし。

迷いがないというのは,すごい。

わたしはきっとこれからもずーっと,その辺のおばさんが,
「なぜここにいるの?」なんていわれるかどうか,ギリギリの
ところで,生徒と接していくんだろうな。
まぁ,そういう自分に腹をくくろう。

そういえば,『バガボンド』というマンガ。
読んだことはないけれど,興味をもったきっかけは,美術の先生の
話から。
「あの絵,すごいですよ。ただのマンガじゃないです。」
そういわれた。

その後NHKの番組で,その漫画家さんを何ヶ月か取材したものを
みて,なるほどと思ったわけ。

主人公の宮本武蔵にそこまで感情移入して描くのか,と驚き。
史実かどうかということより,血を浴びたらどうなるかとか,
祈る時の表情はどうなるかとか,身体表現のさることながら,
表情の描きわけが豊かだ。
あそこまで心理描写に悩んで悩んでマンガにするというのは,
しんどいだろうなとも思う。
髪の毛の動きにまで神経使って。
でも,そのしごくまっとうな悩み方が,今の時代には新鮮に思えて,
わたしは感じ入ってしまった。

あんなに悩んで描くという経緯をせおったマンガを,読者はどう
受け止めているのかも,また興味深い。
今の若者たち,どこまで心理的な表現を求めているのか・・・
まぁ,若者が読者だとは限らないけれど。

まっとうさと,「俺様化」している部分と,どちらももっている
今の若者(40代だってはいりそう)のアンバランスさ。

もしかしたらわたしの言ったことがすぐに「地雷を踏む」ことに
なるような,そういうこわさをもった人たちとのお付き合いが多いから,
毎日が「発見」で「新鮮」で「しんどく」て「めんどう」だ。

そんななかで知った『バガボンド』だった,というわけ。
by KATEK | 2009-10-19 20:07